リトルソング-最強総長は歌姫を独占したい-

「別に……」


頭を下げた状態でいると、那智がぶっきらぼうに一言。

許してくれるのかな、と顔を上げたら綺麗な瞳とかち合った。


「マジで痛かったから腹立ったけど、もういい。
あれは俺も悪かった」

「うっ、すみませんでした……」


なんだかんだ言って許してくれる那智はやっぱり優しい人だ。


「ねえ、那智?」


しかし名前で呼ぶと彼はまた、あの冷たい目をしてた。


「えっと……名前で呼ばないほうがいい?」

「……嫌いなだけだ」

「え?」

「自分の名が、嫌いなだけだ」


那智はうつむいて声を放った。力のない声だった。


「どうして?」


不用意にも聞くと『お前そこ聞くか?』って顔された。

ごめんなさいね、空気読めない性格で!


「でも『那智』ってさ……優しい名前だよね」


那智の視線が怖いので、思いついたことを口にした。

ナチって、ふんわりした優しそうなイメージがある。


「那智は嫌かもしれないけど、那智って名前、私は好きだな……」

「……は?」

「あ、えっと……これはあくまの個人の感想です!
嫌いな理由も知らずにこんなこと言ってすみません!」


慌てて敬礼すると、那智は変わらず冷たい視線を浴びせてきた。

う、こういう時の対処法ってどうすればいいのさ。