リトルソング-最強総長は歌姫を独占したい-

「優凛……こっち見ろ」


意識がはっきりしなくて、無感情に地面に見ているとと、睦斗が私の肌に触れた。


「……睦斗」

「ああ、俺はここにいる。どうした?」

「……何を見てるの?」

「何、って?」

「ねえ、睦斗。那智の過去に、何があったの?」


那智は、深い傷を背負ってた。

どれだけ時間が経とうとも、癒えない傷を。


『あいつと同じだ』


誰と重ねてるの?

分からない、分からないことだらけだ。


「もう、分かんないや……」

「……那智か」


視線を外した私に、睦斗はかすかに呟いた。

睦斗はきっと、那智を知ってる。

だって那智は、睦斗と話す時は優しい目をするから。

心を許してるから。


「睦斗!こんな所でどうした?」


お互い感慨に浸って声を発さずにいたら、張りのある声を耳に覚えた。

パワフルな声の正体は、やはり璃輝さん。


「あっ、藤堂さん……!?」

「ひっ……」


すると野次馬と化してた生徒たちは、サーっと散らばっていった。

そうして開けた場所に、いつの間にか、幹部全員が集まって来た。