リトルソング-最強総長は歌姫を独占したい-

「那智は独りじゃないんだから……」


ただ、そう伝えて、その苦しそうな表情をやめてほしかった。


「……それ以上、つらい顔しないで!!」


悲痛な心の叫びを、悲しい心情を。


「っ……!?」


その時、耳なりとめまいが同時に襲ってきた。

世界が歪む。光も、音も、何も感じない。

抵抗する間もなく、体が揺れて、地面が迫ってくる。


「優凛!」


ぶつかる寸前、誰かが私を呼ぶ声がして、ガクンと体が止まった。


「優凛、どうした!?」


くらくら揺れる世界に、誰かいた。

ふと顔を上げれば光を放つ瞳が眩しい。

抱き止められた手から伝わる優しさが、痛いくらい愛おしい。


「睦斗……」


私は抱きしめられてやっと落ち着きを取り戻した。


「あれ、結城くん?なんでここに?」

「なにかあったの?」


すると周辺に生徒が集まっていることに気がついた。

でも、その群衆に那智とココはいなかった。

それはそうだ。勝手に飛び出して怒鳴り散らした私にあきれたんだろう。

でもなんで倒れたのかは、自分でも分からない。

急激に視界が狭まって、目の前が真っ白になったんだ。