リトルソング-最強総長は歌姫を独占したい-

「那智…?」


態度を一変させた那智に、ココは不安そうに名を口にした。


「……お前の話はもう聞かない」

「……どうして?」


那智は、何かを見てた。

ここじゃないどこかに、一点を集中させてた。

……あの目だ。

私の歌でも消せない、深い孤独の瞳。


「……あいつと一緒だ」


那智は、ココと誰かを重ねてる。

きっと憎しみとか、そういう類の重ね方。

だから声となる端々(はしばし)が重たくて、痛い。


「あいつ……?」

「最悪な女だ」


ココが反復すると、那智は冷淡で険しい目をした。

怖くて、苦しくて、切ない表情。

どうして、そんな顔するの?


「これ以上、俺のそばにいるな」


目を背けたいのに、背けられない。

だってここから逃げたら、那智はきっとココを傷つける。


「お前らは……何も知らないくせに近づいて、嘘ばっかりついて、何が楽しい?何がしたい」


ダメ、それ以上言っちゃダメだ。


「上辺しか見ないてめえらに、俺の何が分かる?」


やめて。

自分を守るために、自分が傷つきたくないがために、人を傷つけないで。