翌日、決戦の昼休み。

つまり、ココが那智に告白する日。


『ひとりでちゃんと伝えたいの。だから優凛には、那智に言ってから報告するね』


10分前、覚悟を決めたココは、私にそれを伝えて那智のもとへと向かった。

事前に話があると呼び出しているとかなんとか。


「くうっ……青春だ!」


思わず独り言を呟いてしまったが、そんな私はどこにいるかって?

このタイミングに睦斗に呼ばれて、教室を飛び出したのさ!

『今から会おう?』って電話で口説かれて、すんなり従うことに。

あわよくば、途中で告白現場に遭遇しちゃったりして──と胸をドキドキさせているの!


「話って、なんだ」

「むむっ!?」


なーんということでしょう。

失礼なこととは心得ているけど、辺りに漏れる話し声に耳をそばだてていると、知っている音がした。

澄んだ男の声、那智だ。