「達綺コラァ!待たんかい!」


久々にぶちギレた私は、達綺が向かったお風呂場へ直行──


「おお!?優凛どうした!落ち着け」


しようとしたところを、お父さんにがっちり確保された。


「ぐぅ、許せん!今日という今日は日頃の恨みを晴らしてやる!」

「優凛、気持ちは分かるがやめるんだ。
入浴中の達綺を襲ったら、今度は変態ってレッテル張られるぞ!」

「へ、変態!?イヤだ!!」


「……え?なに姉ちゃんついに三拍子揃っちゃった?」


そこに、上半身裸の達綺が登場。

早く風呂入れよ!

余計なとこばっかり注目すんじゃない!


「マヌケ・単細胞・変態?ふっ……ある意味最強じゃん」

「ギャース!」

「達綺お前、煽るなー!!」


いつまでも揚げ足をとる達綺、ついにネジが完全に飛んだ私。

そしてほとんど被害者のお父さん。

コメディのような騒がしい安西家は、その後も収まることのないまま、蒸し暑い1日が去っていった。