リトルソング-最強総長は歌姫を独占したい-

いやいや、なんでちゃっかり名乗ってんのよ!


「お前知ってんのか?」

「いやー、ロングの黒髪っていうことくらいしか分かりまへん」

「ロング?俺はミディアムって聞いたぞ?」


そこめっちゃどうでもよくない?


「あ、あとかなり美人だって聞きました」

「なぬっ!?」


なぬ!?じゃあ私じゃないな。よかった、安心した。


「マジか!?」

「はい、噂じゃ総長さんがびっくりして、大声出してまったとか」

「マジかよ!あの声睦斗だったのか!?」


違うよバカ!やっぱ私じゃん!

『ぎゃにゃー!』ってとてつもなく変な叫び声あげたの私だよ。


「じゃあ、そのロングの美人見つけたら俺に言ってくれ。よろしく頼むぞ!」

「ハイ璃輝さん!任せて下さい!」


任せるな、そして快く返事しないでよ……。

そしてリキさんは教室から出ていって、ようやく嵐は去って行った。


「もう無理……」

「……わあ、俺初日からラッキーやわあ…」

「何が?」

「まさか雷神の璃輝さんと話せるなんて、夢にも思ってへんかった!」

「はっ…?」

「よっしゃ!こうなったら張り切って探すでえ!ロングヘヤーの美女!」


……いやいや、目の前にいるんだけど。

そして美女ではないんだけどね。

ハードル上がりすぎて名乗れなくなっちゃったじゃないか。


「あ、てか龍生さん。そんなことより“雷神”って何?」

「……はぁ?なんやて…!?」


燃えたぎる龍生を鎮めようと、話題変換に持ち込んだら彼は凍りついてしまった。