「……お前の弟イケメンだなー。度胸あるし」


その後ろ姿を見入った璃輝さんが呟いた。


「確かに、睦斗に果敢にかかっていく男は初めて見たな」


納得して感心するように、颯先輩もうなずいた。


「てかあれ……歳いくつ?」


桜汰先輩は背後から顔を覗き込んできた。

うお、186㎝と私の差ってこんなにあるんだ。


「えっとー、中2だから14歳」


少しショックを受けながら返答。


「ハアァ?あの色気で中2!?」

「色気!?達綺に?」


桜太先輩が信じられないことを言い出したので、びっくりしてると。


「お前よりあるな、キャハハ!」


横槍を入れる、サルが現る。


「なんだとこりゃ……!」

「優凛、そろそろ行くからしょうもない挑発に乗るな」


反撃しようとしたら睦斗にほっぺをつねられた。

言い訳しようとしたけど確かにごもっともだ。

悠のしょーもない発言をいちいち拾ってたらキリがないもんね。


「えっと……どこにいくんれふか?」


頬をつねられたまま行き先を尋ねる。

私の疑問が耳に届いた睦斗は、私の頬から手を離し、目を細め───


「着いてからのお楽しみ」

「っ……!?」


色気たっぷりに、不敵な笑みを携えて告げた。

くそう、美しいしカッコいいけど、余計不安になるわ!

いったいどこに連行されるんだ私は!