「……ふーん」

「で、達綺は今日のんびりする感じ?」

「いや、これからバスケしに行く」

「え!?昨日練習試合じゃなかったっけ?」

「関係ない。それに、練習1日休んだら、調子を戻すのに3日かかるんだよ」

「ほう……」


昨日はあんな疲れた様子で眠りふけってたのに、今日もバスケに励むなんて──達綺ちゃんのバスケ精神はすごいな。


「じゃあ行ってくるー」

「早っ!朝ごはんは?」

「食べながら行く。いってきます」


それから10分後、達綺はバスパン(バスケケットパンツ)を履いて、バスケする気満々でおうちから姿を消した。

またシン、となる家の中。

お父さんは今日は朝早くからお出かけしていった。

なんでも同級生に朝から釣りしに行こうと誘われたとか。

昨夜に引き続き、誰もいなくて沈黙が広がる部屋の中。でも今はそんなにさみしくない。


「よし、私も早く準備しないと」


だって、これから睦斗に会えるんだから。

罰ゲームを受けるとは言え、初めて睦斗たちと遊ぶんだ。

楽しみで仕方ない。