「罰ゲーム!?」


反復した声は静かなアジト内に響いた。


「明日決行な。ギター持ってこい」

「ギター?何に使うの!?」


焦りすぎて罰ゲームの内容を推測出来なくて、私は単純に言ったことを繰り返すだけ。


「あん?何すんだ睦斗」


睦斗の突然の提案に、お父さんが怪訝な顔をした。

一方の睦斗はニヒルに笑ってお父さんに近寄り、お父さんの耳元で言葉を放った。

聞こえないけど、罰ゲームの内容だと思われる。


「おお、それいいな!」


お父さんは睦斗の声を耳にすると、無邪気に笑った。

何を吹き込んだんだ。

多かれ少なかれ、嫌な予感しかせんぞ!

その後睦斗は雷神幹部たちを集め、罰ゲームについて説明した。

私は始終聞き耳を立ててたけど、ダメだった。

お父さんがアジトに訪れたことを記念して、宴だ!って騒ぎ出して聞きようがなかった。

結局明日の行われるペナルティが何なのか分からないまま、どんちゃん騒ぎの雷神アジトを後にした。