リトルソング-最強総長は歌姫を独占したい-

「ヒィッ!」

「なんでここで優凛の名前が出てくるんだ?おい龍、どういうことだ」


身体の大きな龍ちゃんが怖気づくほどの殺気が漂う。

あまりの豹変に、あの龍ちゃんが竦み上がって動かなくなった。


「聞いてねえぞ、おい……優凛と雷神にどういう関係があるんだよ」


ヤバイ、このままでは非常に危険だ。

般若になったお父さんは手がつけられない。

最終段階になる前に止めないと!

私の出るタイミングは──今だ!!



「ちょっと待てい!」


私は正義のヒーローさながらに、大声で乱入を決行した。


「ぬおお!?誰や!!?」

「なんだ!?」

「誰だてめえ!?」


扉の向こうに出ると、ヤンキーたちの恐ろしい視線が突き刺さる。


「……優凛!?」


驚いてる雷神たちを前に、睦斗が私の名を呼んだ。


「優凛!?お前なんでここに!」


ざわめくアジトの中、お父さんは驚きを隠せない表情で人一倍大きな声で叫んだ。


「こっちのセリフじゃあ!!なんでお父さんがここにいるの!?
今日は龍ちゃんと飲みに行くんじゃなかったの?」

「優凛、それは……!」

「隠そうとしたって無駄なんだから!全部知ってるよ!
雷神のこともお父さんのことも全部!!」

「……どういう、ことだ?」


お父さんは愕然とした様子で私を見て、隣にいた睦斗を見た。


「……高校に入学する前、優凛に助けてもらったんです」


すると睦斗はお父さんに説明を始めた。

うん、ここは睦斗に話してもらおう。


「……ハア?」

「そこで顔見知りになって、偶然高校も一緒だったから知り合いになりました」

「友達、ってことか?」


大きな目を見張って信じられない表情のお父さん。

自分自身を落ち着かせるように一語一句声を発していた。


「いや……優凛と、付き合わせてもらってます」


しかし陸斗が包み隠さず暴露したもんだから、ついに開いた口が塞がらなくなった。