リトルソング-最強総長は歌姫を独占したい-

「……龍、お前酔ってたんじゃねえの?」


意見が食い違う両者に、お父さんが鶴の一声を放つ。


「あ……!」


目と口を開いたまま、龍ちゃんが固まった。

図星だったらしい。


「酔ってたんだな龍、お前酒豪だから。
そんで次の日にゃあ、二日酔いで話聞ける状態じゃなかったんだろ?」

「あ゛っ……!」

「正解だな。うん、龍が悪い」


腕組みするお父さんは、龍ちゃんに視線を送る。

龍ちゃんはヤベェ、って顔して静かにうつむいた。


「ところで雷さん」


漠然とする龍ちゃんに、話題変換を持ち掛ける睦斗。

うむ、とりあえずこの問題は解決でいいのかな──と、思っていたら。


「なんだ?」

「優凛……どこですか?」


睦斗はお父さんの前で、平然と私という名の爆弾をしかけた。

騒動が解決して安心したのも束の間、突然睦斗が私の名を出した。

そうだった、出るタイミング見失いすぎて、登場するの忘れてた。


「優凛、連れて来たんじゃないんすか?」

「……優凛?ハア?」


お父さんは首を傾げると、龍ちゃんの顔がとたんに強ばる。


「ま、待って下さい雷さん!これには深いわけが」


そこでなぜか龍ちゃんがお父さんの正面に回った。


「………あ゛?」


龍ちゃんが弁解を図ろうとしたところで、お父さんは久しぶりの般若になってしまった。