リトルソング-最強総長は歌姫を独占したい-

ポケットに入れていたスマホが鳴り出したのだ。


「誰だこんな時間に……?」


電話の着信音だったから、不思議に思ってディスプレイを覗くと、まさかの名前表記が。


「睦斗!?」


叫んでしまった通り、結城睦斗の文字が並んでいた。

なぜこのタイミングで睦斗から着信が?


「……も、もしもし?」


兎にも角にも出てみることにトライ。


「なんでそんな構えてんだよ」


落ち着いた口調が耳に届く。

うむ、相変わらずいい声してらっしゃる。


「急にかかって来たから。で、どしたの?」

「どうしたって……お前今日来ねぇの?」

「は……?」

「雷さん……親父さんが来るって話だろ、今日。
知らねえのか優凛」


親父さんってうちのお父さんのことだよね。

あれ、お父さんは龍ちゃんと飲みに行ったんじゃなかっの!?


「雷さんがアジトに来るって聞いたから、てっきり優凛も来んだと思ってたけど…」


ねえ、お父さん?そんなこと聞いてませんよ。

お父さん!私に嘘ついたんだな!?


「来ねえのか…──」

「いえ、行きます」


睦斗の落胆する口調に、メラメラと燃え上がる怒りを胸に言い放った

同時に電話を切って、迷うことなく家を飛び出した。


「嘘吐きは嫌いだぁぁ!」


咆哮を上げ、目指すは雷神アジト。

嘘つきは泥棒の始まりなんだぞお父さん!許すまじ!