翌日、1年1組の教室の前。

通りかかる人々に後ろ指をさされながら、扉の前に立っております。

ギター持ってきたけど、校則違反にならないかなあ。

このギターは私の宝物だから、誰にも触って欲しくないんだよね。

だったら持ってくんなって話だけど。


──ガラッ。


教室の引き戸を開いたら注目された。

昨日の件があってドキドキしたけど「あれギター?」とか「軽音部に入るのかな?」とささやかれる程度だから安心した。

暴走族に目をつけられたの、バレてないっぽい。

とりあえず廊下側の一番前の机に腰を下ろした。

そういえば私は1年1組の出席番号1番。

私の苗字『安西』だからね。


「……なんやあんた、それギターか?」

「えっ?」


すると突然、後ろから誰かに話しかけられた。