それから1週間後の週末、土曜日の朝から10時30分。

私はその日を楽しみに待っていた。

なぜかというと───


「お父さん、お帰り!」


大好きな大好きなお父さんが、3か月ぶりに実家に帰って来た日だから。

私は連絡を受けてから、ずっと玄関付近で待ってた。


「優凛っ!待っててくれたのか、ただいま!」


こうして強く抱きしめてくれる、たくましい腕を、ぬくもりを。

優しくて、温かさのこもったこの声を。


「久々だね、会いたかったよ!」

「俺も会いたかったよ優凛、やっと休暇がとれたから急いで帰ってきた」


今年36歳を迎える、私の自慢のお父さん。

180㎝の長身に、がたいのいい身体つき。

丁寧に整えられた短いアゴ髭に、黒髪パーマで、前髪を上げた髪型は『ワイルドなデキる男』って印象。

よく似てるって言われるパッチリ二重の丸い目で見つめ合えば、2人同時に笑顔が弾ける。