「皿洗いも!?」

「バイク磨きも!?」


洗濯、窓ふき、風呂掃除、買いだし──etc。

そんなことまでしなきゃいけないのか思うほど、ありとあらゆる雑用を口に出した雷神たちは、睦斗の次の言葉を待つ。


「思う存分……こいつにやらせろ」


その瞬間「やったー!」という声が幾重にも重なって響いた。

みなさん、そんなに雑用が苦なんですか?「……なんか、もう驚かねえわ」

「どうせ反論したところで無駄だろうしな」


ため息が聞こえてきたかと思うと、幹部の皆さんが固まって苦笑いしてたり呆れかえってたり。


「なっ!?ふざけんな!誰が雷神なんかに…っ!」


そんな様子に喚き始めた流威。

しかし一瞬にして、黙らせる人影がひとつ。


「口を慎め、クズが」


それは片手で流威の顔を鷲掴みにした、颯先輩だった。


「ぐっ……!?」


恐怖に身を固め、流威は大人しくなった。

ひぇ……やっぱり颯先輩怒ると恐ろしいや。