リトルソング-最強総長は歌姫を独占したい-

しかもリーダーである流威に。

プライドの高い流威は怒り狂って、あの女を探せと喚き散らした。

万事休す。歌姫の正体はもうバレる。

優凛が歌姫であると分かれば、リンチだのレイプでもした挙句、餌にして雷神を誘き寄せる。


……俺はそれを、何もせず見てるだけなんか?

優凛を救えんまま、雷神がどうにかしてくれるのを待ってるだけ?


そうはさせん。


心に誓った俺は、ある作戦を決行した。


「なあ流威……」

「ああ?」

「雷神……潰そうと思わんか?今ならそれが可能やろ」


そういって、歌姫を餌に雷神総長を誘き寄せると虚言した。

裏では雷神総員を呼び出し、抗争を仕掛けることを決めていた。

真っ向から勝負を挑まれたら白夜に勝ち目なんてない。

だからわざと抗争を仕掛けることで、白夜を一掃してもらおうって魂胆やった。その結果は予想通り。

白夜は見事に散った。

再興不能な状態にまで、雷神は蹴散らしてくれた。


成功したから良かったものの、もしもあの時。

総長に電話が繋がらんかったら、雷神が優凛を大事に想ってへんかったら、俺はただの腐った社会の底辺になってた。

友達を陥れ、憧れを抱いていた雷神を自らの手で潰すところやった。


そんな俺を優凛は味方やと言ってくれるんやな。

こんな俺を、雷神は手を出さず話を聞いてくれるんやな。


ほんまに──優凛に会えて良かった。

雷神に憧れたままで、良かった。