リトルソング-最強総長は歌姫を独占したい-

「龍生は悪くない!これまでのことはすべて雷神のためにしたことだから!」

「……なぜかばう。どっちにしろそいつが裏切り者ということに変わりはないんだ」

「誰かを守るために必要な嘘だってある!
颯先輩お願い!部外者が首を突っ込む場面じゃないって分かってる。でも、今だけ話を聞いて!」


自分より遥かに高い位置にある颯先輩の眼を見つめ、彼に心で訴えかけた。


「話を聞いて、お願いです」

「……」


すると彼は、じっと私の瞳を眺めて、怒りに染まる己を抑えるように、私の頭に手を置いた。

優しい手だった。


「……分かった」


それから頭をなでた後颯先輩は身を引き、さっきいた位置に戻った。

良かった。私の思いは伝わったみたいだ。

さて、ここからは私がなんとかしなきゃ。


「……ねえ龍生、知ってるよ。
私を助けるために雷神を呼んでくれたんでしょ?」


真実を聞きたくて、龍生と向かい合った。


「自分に嘘つきながら……私たちのために動いてくれたんでしょ?」

「……」

「分かるよ、龍生の笑顔は嘘つきには作れないから。本当に雷神が好きなんだよね」

「……もう、ええ……ええんや優凛」



ふと、悲痛すぎるかすれた声が耳に残る。

やっと口を開いた龍生。

ずっと喋らなかったせいか、小さくて潰れたような声だったけれど、突き刺さるような痛みを胸に感じた。