「……あーあ、那智(なち)、言いすぎだって。可哀想にさ」


辺りに女の子がいなくなったのを確認し、金メッシュに甘い口調で話しかけた男。

5人の中で一番背が高い。

ん?あの銀髪紳士より高いから、おそらく身長は190近いな。

金髪に近い明るめのベージュ、だけど上品な感じで女ウケ良さそうな髪型……見るからにチャラ男だ!


「……騒いでる女が悪いんだよ」

「那智~、そんなピリピリしてると一生彼女できねえぞ?」

「要らねえよ、んなのこっちから願い下げだ」



対してナチと呼ばれた男はするどい眼光を飛ばし、そっぽを向いた。

なんか、影がありそうな感じの冷たい言い草。

むむ、気になるな、あの金メッシュ。


「……そこ、通してくれ」

「あっ、すみませ……」


色彩豊かなヤンキーたちに釘づけになっていると、誰かが私の肩を押した。

振り返り、そこで絶句した。


「お前……」


どうしよう、目が離せない。

真っ黒の髪、真っ黒の瞳。

透き通った綺麗な肌に、女の子に見間違えるほど整いすぎてる顔立ち。

間違いない、この人は──


「……お前、昨日の……?」


昨日商店街で会った、イケメンヤンキーではないか!