『分かってる、せやから事前に阻止するためにこっちの手の内を全部あかしてんねん』


龍生は白夜側の作戦を全て伝えるとこう続けた。


『優凛を助けてくれ。これから俺のこと、どんなに恨んでもええ、一生信じてくれんでええ。
けど今は……信じてくれ。お願いや、優凛を救えるのはあんただけやから』


その言葉を最後に通話が切れた。


「聞いたか」

「ああ、こっちは問題ない。久々の抗争だから腕が鳴るな」


自分の単車に跨る颯。

ふと周りを見るもいつの間にか幹部全員がバイクに乗りこんでいた。


「ああ、連絡は回しておいた。総員で白夜を叩きに行く、ってな」


妖しく笑う桜汰も、いつもの剽軽さが抜けて本気そのものだ。

そんな仲間に勇気づけられながら自分のバイクに乗り、エンジンをかけて一気に加速した。

目指すは、白夜の本拠地。

そこに守るべきものがいる。

間に合ってくれ。



その一心で、あの場に行き、やっと手に入れたこのぬくもり。

なあ、優凛。

こうしてこの手にある温かさは、嘘じゃねえよな?


俺がずっと探してた、お前のものだよな。

やっと気持ちを伝えられた、俺のものなんだよな。


だからお前に誓う。

誰よりも大事にする。

なにがあっても守り抜く。

絶対、大切にするから。