ただ、これすら演技だとしたら?

俺達を陥れる罠だとしたら?


「……優凛はどこにいる?」


しかし、悠長に考えている時間はない。

一刻も早く優凛の声を聞きたかった。

気づいてしまった。自分の気持ちに。


俺は、優凛が好きだ。


『……今から白夜の流威っちゅう男から、倉庫に独りで来いっていう電話が入るはずや。
でも、それに従ったらあかん』


確信した直後、龍生は続ける。


『……優凛を預かっとるいうて、あんたを誘き出す魂胆や』

「俺を?白夜は俺を闇討ちでもするつもりか」

『……そうや、あんたを再起不能にして、雷神を潰す為や』

「なんだと!?淡々と語りやがって、この裏切り者が!
睦斗のおかげで救われた命がいくつあると思ってんだ。
それを潰すなんて許せねえ!」


ついに、黙って聞いていた璃輝の堪忍袋の尾が切れる。

俺はそれを制止し、龍生の声に集中した。