リトルソング-最強総長は歌姫を独占したい-

「ねえ那智〜睦斗フリーズしちゃった」

「知るか」

「えー、那智も辛辣」


桜汰と那智のやり取りを眺めながら考えがまとまらない。

その時不意に、体の一部が刺激を受け取る。

反応を辿っていけば、手元のスマホが震えている。

ふと画面に視線を落とせば、安西優凛の表記が。


「……優凛?」


電話を応じれば、あの凛とした元気な声が返ってくると思った。


『繋がった!……あんたが雷神の総長さんか!?』


しかし、返って来たのは焦りのうかがえる男の声色だった。


「……誰だ、お前」


胸騒ぎと不安を覚えながら、厳しく問いたてる。

この抑揚、もしかすると。


『……俺は龍生。優凛のクラスメイトや』


放たれたその名に、愕然とする俺がいた。

そいつは以前、優凛をリンチしようと仕掛けた3人組を蹴散らした張本人だ。

なぜあの場にそいつが現れたのか、当時考えもしなかったが──今なら仮定できる。



“井上龍生が白夜の脳である”



という、最悪の憶測を。