リトルソング-最強総長は歌姫を独占したい-

「待ててめえゴラァァ!」


しかし。


「くっそ……しつこいんだよ!」


終わりを告げるのはまだ早かったようだ。

突如、けたたましい怒鳴り声が響く。

唖然とする私たちの前に、ひとつの影が乱入してきた。


「流威!」


一体今までどこにいたんだろう。

一発ガツンとやったろうと探し求めてた、白髪頭が登場した。


「てめえで最後だ!逃げんなボケ!」

「クッソ!うるせえ!」


罵詈雑言を吐きながら、流威は近づいてくる。


「てめえを()けばもう怖くねえんだよ!」


どうやらこいつ、周りが全く見えてないみたい。

唖然とする私たちをよそに、流威と璃輝さんは追いかけっこを繰り返す。

そして私の目の前を横切ろうとした。

けど、ここでみすみす逃がしてしまうような私じゃない。


「てやっ!」


タイミングよく足を伸ばし、流威の足を引っかけた。


「うあっ!?」


ズザザーっと滑り込んでいけば、たちまち煙が上がる。

奴は見事にすっ転んだ。


「ナイス優凛!」


追いかけていた璃輝さんが走りながら満面の笑みで親指を立てる。

ふふん、スッキリしたぜ。


「よぉし、ひっ捕まえろてめえら!」

「げほっ、くっそ……ってウソだろお!!?」


璃輝さんの号令を受けて雷神のメンバーが流威に覆い被さる。

押しつぶされた流威の姿は見えなくなり、あのキンキン声がやっと静かになった。