満天の星空、ほほ笑む三日月。
ああ、私を祝福してるみたい。
「んふっ、うふふふ~」
「姉ちゃんうるさい!」
静かなリビングに突然響いた声。
びっくりした拍子に、夜空を眺めていた窓ガラスに頭をぶつけた。
「くっ!痛い……」
ふり返れば、生意気な態度が相変わらずの弟の達綺が仁王立ちしてた。
「さっきから心の声だだ漏れだし!
痛いよ、マジ痛いよ姉ちゃん!」
普段ならそこで「なんだと!?」って反発する私だけど、今日は許してやろう。
なんたって───
「フッ……弟よ。この気持ちは女子でなければ分かるまい」
なんたって私は、明日から女子高校生、略してJKなんだから!
そりゃ誰でもJKになる前は、ドキドキワクワクしていたことだろう。
ってことで今日は許してやるよ。