リトルソング-最強総長は歌姫を独占したい-

真っ黒な大きな背中がそこにあった。

背中には目を見張る金色の文字。

“雷神十一代目総長”。

はっとして、息が止まった。

辺りを見回すと、私に襲いかかってきた男の姿はなくて、彼が助けてくれたんだと分かった。


「ったく……周り見とけ」

「睦斗!」


ぶっきらぼうに視線を飛ばす。

漆黒の衣にまといし、威風堂々たる総長の姿が出現した。


「……この、アホが!」


って、あれ?怒られた?

なんかカッコいいこと言ってくれるんじゃないの?


「勝手に抜け出してんじゃねえ」


期待してたのに、射るような眼差しで怒られた。


「……ごめんなさい」


仕方なく腰を折って謝れば、辺りが終息に近づいてることに気づいた。

300人はいたと思われる白夜は冷たい床に突っ伏してる。

倒れてる人が全員白夜かどうかは分からないけど、誰も動こうとする素振りはない。

きっと終わったんだ。

なんとあっけない。いや、雷神が強すぎるのか。