リトルソング-最強総長は歌姫を独占したい-

「……なんで?」

「……っ!?」


睦斗の反復する言葉に、過剰に身を構える流威。

構わず、睦斗は続けた。


「……それは優凛がいるからだ。守りたい奴がいるからだ」


染み渡っていく意志は、私を震わせた。


「……男に二言はねえんだよ」


そうだろ?と言いたげに、睦斗は笑みを含んで目を合わせた。


「で、この落とし前どうつけてくれんだ?」


低く、唸るような声で放った怒り。

ところどころでザワつく声が聞こえ、一歩後ろに退く人さえいた。


「さあ……お前ら、遠慮なんてすんじゃねえ」


重く圧し掛かる声に、全ての目が睦斗に向けられる。

双方が固唾を飲み、次の言葉を待つ。



「……塵ひとつ残すな。壊せ」



“壊せ”。それは了承だった。

雷神に告ぐ、暴れることへの了解。


一瞬を置いて、雄叫びとともに地面が揺れる。

咆哮を上げ、抗争の火蓋が打って切られた。