「ら……雷神!!?」


流威もその仲間も、破天荒な登場にうろたえる。

そんな様子お構いなしに、後続から次々とやってくるきらびやかなバイク。

その中にたったひとつ。

異彩を放つ、唯一無二の姿があった。

瞳に映った真っ黒のバイク。


「優凛!」


それにまたがり、真っ先に私の名を呼ぶのは睦斗だ。

彼は一癖二癖ある“神”を統べる、雷神11代目総長。

はっきりと私の瞳は、彼を映してる。

睦斗が身を包んでいる、真っ黒の服はきっと特攻服というものだ。

それはどんな極彩色より輝いて見えた。


「……睦斗」


感激してる、びっくりしてる、言いたいことが沢山ある。

だけど感情が高ぶり過ぎて、思考がついていかない。

だから呼ぶんだ。


「睦斗!」


大切で特別な、君の名前を。