リトルソング-最強総長は歌姫を独占したい-

「ヒャハハ!龍生のことずっと信じてたってか!?
バーカ!龍生はハナから俺達のモンなんだよ!」


高笑いが鼓膜を刺激して、耳を塞いでしまいたい衝動に駆られる。

拘束されているから不可能だけど、そのくらい不愉快だってこと。


「……で?どうすんだよ龍生。こいつに何してもいいのか!?」


興奮気味に質問を投げかける流威。

もう、何をされても構わない気がした。

しょせん人間は嘘吐きなんだ。

それが例え相手を守る嘘であっても、傷つくことに変わりはないんだ。



『優凛……お母さんは大丈夫だから』



どこからともなく、お母さんの声が聞こえた気がした。

これはいつの記憶だっけ。

無理して笑うお母さんの顔が脳裏に焼きついて今も離れない。

ああ、思い出したくないのに。