「ちなみに言うと……歌姫の正体が優凛やって広めたのは俺や」

「嘘……」

「誰も、お前も、雷神も……俺の本性見抜けてなかったんや。
俺を良いヤツと思い込んであっさり捕まってくれておおきに」

「そんな……だって龍生は本当に──」


本当に、笑ってた。

龍生の笑顔は心の底からの笑みだった。

龍生の笑顔は、嘘つきには作れない。


「人は皆嘘吐き!信じるのは己だけて……よう言うやろ?」


言葉は重く突き刺さって、自分の無力さを感じられる。

……やっぱり、間違いだったのかな。

人を信じた私が馬鹿だったの?

人の言うことは全部建前なの?


だったら……みんながくれた優しさも全部、嘘だったの?

ふと、雷神のみんなの笑顔が浮かんだ。