「……んっ…」


自分のうめき声に意識を取り戻した。

まだ夢見心地は続いているのに、起きなければいけない気がする。


「イッ……!」


起き上がろうと試みたところで首の後ろに痛みを覚え、まぶたを開いた。

灰色の世界。光のない世界。

どこか見覚えのある光景に、刺すような痛みの頭痛が再発した。


「どこ、ここ……?」


がらんどう。

私が座り込んでいる場所を説明するなら、その表現が最もだと思う。

高い天井に、トタンの壁。

肌に伝わる冷たいコンクリートの床の倉庫のような場所。

どうやらそこにずっと眠っていたらしい。


「……えっ…!?」


辺りの状況が把握できると、自分が置かれている状態も次第に分かってくる。

手には何重にも巻かれたロープ。

同じく足枷のように、足首に巻きつけられた縄。


「くっ、こんなのちょちょいのちょいー……!! 」


……ダメだ、無理。

いくら見た目の結び方が適当とは言え、がんじがらめに固くされてちゃ歯も立たない。