「……俺に、お前を守らせてくれ」
本気なんだ。遊びじゃない。からかいじゃない。
睦斗がくれる優しさは、嘘じゃない。
「ありがとう……」
伝えた感謝は、私が完全に心を許した証拠。
……彼と触れ合うことで、触れてはいけない空白に亀裂が生じるかもしれない。
構わない、それでもいい。
「ありがとう」
これは決別。
殻に閉じこもった臆病な優凛と、別れの時。
知らなきゃいけないことがある。
取り戻さなきゃいけないものがある。
これは私の───第一歩。
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