リトルソング-最強総長は歌姫を独占したい-

「ひっ……ひいぃ!」

「なっ、お前何逃げてんだよ!」

「ま、待って腰……抜けた!」

「うるせえ!俺に掴まんなブス!」


ひとりの男が悲鳴を上げたのを皮切りに、一斉に散っていく3人組。

腰が抜けたと言った女子は面と向かって悪口言われつつ、必死に掴まってその場を去っていった。

えっと、とりあえず一件落着でいいのかな?


「おい……お前」


安心して肩の力を抜いたけど、睦斗が放った言葉には突き刺さるような重みが残っていた。


「何者だ」

「んー?俺のことですかぁ?」


その視線の先にいたのは私を助けてくれた龍生。

張り詰めた緊張を解きほぐすような、間伸びした声。


「なんやって言われても……優凛が囲まれてたから、助けただけですけど」


独特な関西弁にほっとするけど、睦斗はそうじゃないらしい。


「…って、お前龍生じゃねえか!」


璃輝さんは今更になって、私を助けてくれたのが龍生だと気づいたらしい。

てか龍生って、結構璃輝さんに気に入られてるんだよね。

雷神に頼まれて私を溜まり部屋に連れていったこともあるし。

まあ、パシリとも言うかもしれないけど。