「安西優凛だ……」

「うわ、出た!」


私と雷神の関係が学校にバレて以来、みんなこんな反応をする。

化け物みたいに扱われるのやだな〜と思いながら、校舎を進んで下駄箱へ。


「ねえ、気になってたんだけど……」


ローファーからスリッパに履き替えた時、ココに呼びとめられた。


「うん?」

「……気になってたんだけど、なんで優凛が歌姫だってバレたの?」


ああ、さすがにココも気になるよね。

仕方ない、オブラートに包んでふわっと説明するか。


「実は、ちょっと面倒事に巻き込まれて……」


教室に向かいながら話そうとしたその時。


「ねえ、安西優凛ってアンタのことぉ?」

「……へ?」


行先を塞がれ、顔を上げると派手な色の髪の女子が立っていた。

……うわ、なーんか嫌な感じ。