「じゃあな優凛、学校頑張ってこい!」

「うん、ありがとう」


朝、たまたま会った龍ちゃんに挨拶して学校に向かう。

結局、なんだかんだ馴染めたなぁ。

あの日、歌ったら余計な緊張も晴れてあれ以来雷神のメンバーとも仲良くなれた。

やっぱりヤンキーも、話してみたら根は良い人が多いんだなって思った。


「優凛~!」


ぶつくさ言いながら学校に登校してると体にふわりと温かさを覚えた。

不意に抱きつかれたのだ。


「ひえいっ!誰だ!?……って、ココ!?」


私が呼んだ名の通り、ぎゅっと優しく抱きしめていたのはココ。

てか、めっちゃいい匂いするんですけど!


「えへへ……やっと気がついたー。おはよう優凛」

「お、おはようココ! 」

「さっき背の高い男の人と一緒にいたけど……もしかして彼氏?」

「違うよ、あの人はらい……幼なじみのお兄ちゃん。
お父さんの後輩で昔から仲良いんだ」


危なっ、ココに雷神との関係を暴露しちゃうところだった。

白夜に狙われてるのは私の問題なのに、ココを巻き込んだら危険な目に晒してしまうかもしれないからそれは避けたい。

焦りのせいかおでこが汗がにじんでいた感覚があったので拭き取ろうとおでこに手をかざした。


「あ!ねえ、あれ……安西優凛?」


汗を拭うと、多くの人の目がこっちに向いていたことに気づいた。