side 達綺
「ふー……俺もそろそろ行かなきゃ」
ふと、線香の香りが鼻を刺激する。
「あ……今日上げてなかった」
匂いの元をたどれば仏壇が目に入る。
いつの間に姉ちゃん線香上げてたんだろう──なんてことを思いながら、仏壇の前に正座する。
もう一本線香を上げ、仏鈴を鳴らせば、お馴染みの音が木霊する。
その空間の中で静かに手を合わせた。
「俺はもう中2になりました。姉ちゃんは高校生になって、JKだ!って毎日騒がしいです。
父さんは相変わらず忙しいみたいだけど、元気です。
……今日も、みんなを見守って下さい」
立ち上がって、優しく笑う遺影と向き合う。
「じゃあ、いってきます。母さん」
「ふー……俺もそろそろ行かなきゃ」
ふと、線香の香りが鼻を刺激する。
「あ……今日上げてなかった」
匂いの元をたどれば仏壇が目に入る。
いつの間に姉ちゃん線香上げてたんだろう──なんてことを思いながら、仏壇の前に正座する。
もう一本線香を上げ、仏鈴を鳴らせば、お馴染みの音が木霊する。
その空間の中で静かに手を合わせた。
「俺はもう中2になりました。姉ちゃんは高校生になって、JKだ!って毎日騒がしいです。
父さんは相変わらず忙しいみたいだけど、元気です。
……今日も、みんなを見守って下さい」
立ち上がって、優しく笑う遺影と向き合う。
「じゃあ、いってきます。母さん」