リトルソング-最強総長は歌姫を独占したい-

この状況が夢見心地のようで、心の整理がつかないから返事をする代わりに大きくうなずいた。

言いたいことがあり過ぎて、何を言えばいいのか分からないから、たったそれだけ。

気持ちが伝わったのかは定かではないけれど、睦斗は優しく笑い、それから仲間の視線を自分に集めた。


「これは俺の勝手だが、優凛を守ることに決めた。
……意見のある奴は今のうちに言え」


沈黙が深まる。

それが全員一致で睦斗の考えに従う姿勢だと分かると、睦斗は新たに号令した。


「決まりだな。ならまず、優凛に雷神を紹介する。幹部はここへ出て来い」


周りのメンバー達はわらわらと中央から避け、最終的に睦斗含め6人がその場に残った。


「26年前から続く雷神を支えているのが、今のこいつらだ」


仲間をバックに仁王立ちする睦斗は、なんだかとても嬉しそうで、自信に満ち溢れてる。

違う。この表情は仲間に対しての感情が現れてるんだ。

仲間を誇りに想う総長の姿。

彼を含め、顔つきは精悍(せいかん)でたくましいメンバー。

それぞれが光を放ってる。


「……ここにいる6人の幹部から紹介する」

「え、はい??」


ちょっと見とれていたらいつのまにか話は進んでいる。

よし、ここはちゃんと聞こう。

じゃないと、こないだの雨の日の二の舞を演じることなってしまうからな!

話を聞かずして、キチガイな行動を取るという、実に痛い失敗。

もう絶対にしない。


「こいつは副総長の颯一。情報、戦力、あらゆることに長けてる」

「はっ、はい!」


始まった。さあ、聞きこぼしちゃダメだぞ!