リトルソング-最強総長は歌姫を独占したい-

ざわめく声に入れたツッコミは流しておいて、やっと私は理解できた。

白夜の正体について。

それは白髪のルイって言う人を中心に悪さを働くチームだってこと。

雷神に比べたら、まさに月とすっぽんくらいの差があり──失礼だけと顔面偏差値も劣ってるような気がするけど、厄介な奴らだってこと。

これから警戒しなくちゃいけないわけだ。


「助けてもらったってのに……俺はまだ何も返せてねえ」


睦斗はその日のこと、まだ覚えてくれてるんだ。

まあ、恐縮だからお礼なんて要らないけど。


「だから、守るって形でこいつに恩を返したい。
それが俺なりの流儀だ」

「え?」


守る。つまり護衛ってこと?

要らない、ますます要らない!

御好意はありがたく頂くけど、おっそろしい雷神のみなさんと行動を共にしてたら、こっちの精神が参ってしまう!

嫌じゃない、嫌ではないんだけど。


……私なんかが守られるべきじゃない。


「……あの時、お前が駆けつけてくれて良かった」


複雑な感情を胸に、不意に合った眼は私だけを見て──


「ありがとう」


自分がバカだって思い知らされた。

笑顔を添えてのありがとう、が今まで生きてきた中、聞いた言葉の中で一番嬉しいと感じた。

こんな特別な気持ちは初めてだった。

私、ずっと隠してたんだ。

気がつかないフリしてたんだ。

ああ、もっと早くに気がつけばよかった。

どうしようもないくらい、睦斗に惹かれてるってこと。