「夢色のJKラーイフ!」

「だからうるさいって、姉ちゃん」


新しい制服に袖を通して、学校へ行く準備は万全!

ふふふ、楽しみだ、ついに待ちに待った高校生活が幕を開ける。


「なんでニヤついてんの?
……俺、姉ちゃん見てると心配になるよ」

「まあまあ、任せとけ。ステキな彼氏を連れて来てやるから!」

「そんなの聞いてないし」


まあ、こんな会話はさておき。


「よーし、私はそろそろ行くわ!」

「弁当持った?」

「今日は要らなーい!」

「じゃあ生徒手帳は?スリッパは?」

「あるあるー……ってあんたはお母さんか!」


ツッコミをしながら、玄関で一呼吸置く。


「じゃあ達綺、いってくるね!」

「いってらっしゃーい」


達綺の声を聞いてから荷物を持ち、ピカピカのローファーを履いて一歩踏み出そうとしたところで、立ち止まった。

達綺に言わなきゃいけないことがあったんだ!

振り返って息を吸い込んで、リビングに向かってそれを伝えた。


「達綺、いつもありがとう!お姉ちゃん毎日感謝してます。大好きよ~!」


伝えたのは、感謝。

大切な弟だからこれくらいは伝えないと。


「……外にまで聞こえてるー」


数秒後、リビングから達綺の声が届く。

よし、ちゃんと伝わったな。それじゃ、張り切って──


「いってきます!」


JKライフの幕開けです!