私を連れてきた張本人である睦斗はロビーの中心に座ってるし。

他のみんなも睦斗を囲うように座っている。

で、棒立ちしてる私はどうしたらいいの?

まごまごしてると、睦斗と見合わせた。


「優凛──」

「優凛、こっちおいで」


しかしながら、名前を呼んだ上に指示を出してくれたのは、輪から少し外れてるポイントにいる龍ちゃん。

おいで、なんて心優しく声かけされたら素直に行きたくなる。

それに注目されないような場所だったからその方が安心できる。

というわけで呼んでくれた睦斗には申し訳ないけど、トコトコ龍ちゃんのとこへ。


「悪いな優凛、これが終わったらすぐに送ってやるから」


移動すると、龍ちゃんは頭に手を置いてなでてくれた。

嬉しいんだけど、私帰るなんて一言も言ってないぞ?