「お前……女?」

「へいっ!?」


ドキドキしてると、男がとんでもないことを。

……バレた?

焦ったその時、ナイスタイミングで爆音が響いた。

地面をこするブレーキ音と、聞き慣れないエンジンの唸り声が耳を刺激する。

バイクだ。大量のバイクの轟きだ。


すると男は、私を捕まえていた手をゆるめた。

チャンスだ!逃げなければ!

(すき)を突いて立ち上がり、近づいてくる音から遠ざかるように駆け出した。


「……あ?いつの間に、待てお前!」


私を引き止めようとする声がしたけど振り返らなかった。

さよなら、イケメンヤンキー君。

久々の刺激的な体験をありがとう!