リトルソング-最強総長は歌姫を独占したい-

「……はぁ、優凜」


その時だった。

手のひらに伝わる人の温もり。

ふわりと鼻腔(びこう)をくすぐる優しい匂い。


「え……?」

「俺らの話聞いてたか?
時間がないんだ、ふざけてるヒマあったら行くぞ」


いつの間にか睦斗が私の手を握っていた。

視線を落とすと、睦斗は握っている手に力を込めた。

綺麗な手。それに大きくて温かい。

って、なんでナチュラルに手を繋いでんの!?


「おいこら睦斗、お前こそ人の話聞いてたか?」


その様子を見た龍ちゃんは速攻呼び止めてきた。

しかし睦斗は繋いだ手を離そうとはしない。


「お前は知らねえかもしれないが、優凛は『伝説の三代目』の娘だ」

「知ってます。だって俺は優凛をずっと探してた」


私を探してた、そう言った睦斗の手に力が込められる。

……嘘じゃないんだ。

半ば信じていなかったその言葉は本当なんだ。でも、どうして私を探してたの?

その疑問は龍ちゃんの大きなため息によってかき消された。