リトルソング-最強総長は歌姫を独占したい-

「まあ、おバカな姉ちゃんがテンション高いのはいつものことだけど」

「あん?」

「なんでもなーい。とりあえず上がらせてよ」


毒を吐いて靴を脱ぎ、私と背を並べる達綺。

違和感を覚えた。


「何、姉ちゃん」

「お主……また背が伸びたんではなかろうな」

「そうだけど?」

「なにぃ!?何センチだこの野郎!」

「174」

「174!?」


デ、デカイ!中2で174㎝はおかしいでしょ!

日本男児の平均身長余裕で越してるじゃん!


「あー、ちなみに俺、中3までに180超えるから」


達綺はキメ顔ピースで宣言すると私の横を通り過ぎる。


「俺は縦に伸びるけど~、姉ちゃんは横に伸びないようにね~っと。
いい汗かいたからシャワー浴びて来るわ」


……なんだと?

よし決めた。今日の晩御飯には仕返しとして、タバスコの10倍からいという“デスソース”を入れてやるよ、大量に。


「上がった」

「はいよー」


デスソース作戦を無事終了した私は、ダイニングテーブルでテレビを鑑賞中。


「おっ、今日の晩飯ナポリタン?うまそー」

「ふふっ、まあねまあね!どうぞ召し上がって?」


デスソースたっぷり、地獄のナポリタンスパゲティをな!