リトルソング-最強総長は歌姫を独占したい-





「はあ、なーにやってんだ私」


あの後は授業も身に入らなくて、帰宅した私は少し後悔した。

ところで再確認した。私は雨の日が嫌いだ。

ひどく気分が沈んでどうしようもなくなる。

自分が自分じゃなくなる気がする。

自分が自分じゃない?

あれ?こんなこといつから考えるようになったんだっけ。


もしかするとこれが思春期というやつか?

はたまた厨二病というやつかも。


「ただいまー」


もやもや考えてると、玄関で聞き覚えのある声が。


「達綺お帰りっ!」


なんだか元気になって玄関までお出迎え。


「うおっ……何すか?」

「何でもないっす!」

「いや、姉ちゃんがわざわざ出迎えなんておかしい。なんか企んでるな?」

「はい?」

「さては…また俺に弁当作らせる気だろ!
あれ結構大変なんだからな!」

「ちゃうわ!忙しい中作ってくれたのは感謝してるけど!」


あー、この会話ムカつくけど落ち着く。

はたから見ればふつーの会話。

けど私にとっては、これが私だって認識できる大切な手段のひとつ。