「……なんだよ、こいつ」

「独りじゃねえのかよ。護衛がいるなんて聞いてねえ!」


護衛?なんのことだか分からないけど、商店街を荒らそうとする奴は容赦しない!


「……やめろ」

「もう終わりか?かかってこい……グェ!?」


『かかってこい』と言ったはずの言葉は、とても変な語尾になった。

急に襟首を引っ張られたみたい。


「……聞いてんのかチビ。てめえだよ」


私の首根っこを掴んでいたのは背後にいたはずの黒髪の男。

な、なんだこの鬼の形相!

只者のオーラじゃない。しまった、ヤバい人だ!

人間離れした男の形相を前に固まってたら、そいつが声を発した。