「うふふ。そうですか。戦場では役立ちますのに、実に惜しいです。ですが、ティアベル様の件は陛下のお耳には入れさせていただきますよ。私がお仕えしているのは、陛下ですからね」
「……致し方ない」

 メローナ様はそれからも「本当に惜しい才能です」と何度も口にしながら、お城へ帰って行った。
 なんだか、嫌な予感がするのは……気のせいだと信じたい。