何を言い出すんだこのお姉様……っ! 『健康のため』とか押し切ってくるのも怖い……! 私はこれ以上、アルトの負担になるようなことはしたくないのに……!!

 私はお父様に引っ付いたまま、もう一度「絶対にしません!」と叫んだ。


 メローナ様はその後も色々「健康のためです」を繰り返していたが、今度はお父様が代わりに断ってくれた。

 魔力量を無理やり縛らない代わりに、今後のアルトバロンの教師役にはお父様が直々につくことになった。
 この王国随一の腕を持つお父様が師匠になるのなら、健康面も精神面も安心だ。

「それにしても……。ティアベル様の固有魔法は、実に稀有な固有魔法ですよ。今すぐにでも宮廷癒師団に入隊していただきたいくらいです」
「その誘いはお断りしておこう。我が娘はまだ十三歳でね。見てわかる通り、まだまだ親に甘えたい年頃だ」