星が降り注ぐ庭園で、アルトバロンの美貌が幻想的な美しさを放つ。菫青石色の瞳には輝く流星が映り込み、この世のものとは思えぬほど綺麗だった。

「気に入っていただけましたか」
「……ええ」

 彼の唇が吐息をはくようにこぼした言葉に、甘えるような甘やかな表情に、そっと息をのむ。

 贈り物も嬉しいけれど、いちばん嬉しいのは――……最も心に残った記憶が、我が家で過ごした日々だと感じてくれたこと。
 そして……悪役令嬢(わたし)と過ごした毎日を、心を交わした時間を、大切に思ってくれたこと。

「ありがとう、アルト。――大好き」

 どんな未来になるかはわからない。けれど、私は、

「あなたに出会えて良かった」

 胸いっぱいに広がる感謝の気持ちを伝えたくて、私は潤んだ視界でアルトバロンへ精一杯、微笑んだ。