「なんていうのかしら、……これぞ、職人級……?」
「そんなに違いますか? お嬢様の作ったものも、同じように美味しいですが」
「悔しいけれど、全然違うっ。私のは美味しかったけどやっぱり手作りの範囲だったわ」

 自分の作っていたのばかり味見していたので、その差に驚いてしまう。一緒のカカオ豆から作ったのに。

「ううう。こんなことなら、全部アルト作のやつを食べさせてあげたら良かった……!」

 貴重な機会だからと、つい半分半分にしてしまった。

「〝フィーリア・ウィーティス〟は、私の作った方を食べた時、どう思ったのかしら? それにそれに、せっかくのアルトの傑作チョコがもったいないぃぃ」

「それじゃあ〝フィーリア・ウィーティス〟の代わりに、お嬢様が食べてください。そしたら僕の傑作も、もったいなくはないでしょう? むしろ作った甲斐があります」