追憶ソルシエール


「もう眠くなった? ご飯食べるとすぐ眠くなるから世莉ちゃん」

「そうかもしれない〜」


ふふ、と笑い、卵焼きを口に運ぶ姿を目に焼き付ける。脳裏に残った写真を一刻でも早く消し去りたい。



「あ、そうだ」

箸を置き、思い出したかのように私の目を見つめる。


「クリスマス行きたいところ考えた?」

昨日の美術の時間。那乃に促され送信したメッセージはその授業が終わってすぐに返信が届いた。


"もちろん。世莉ちゃんが行きたいところあればそこ行こう"

"クリスマス予定なかったらデートしない?"の返信。


「ここ!とは決まってないんだけどイルミネーションとか綺麗かなって」

「イルミネーション? いいね世莉ちゃん似合う」

SNSでクリスマスデートを探してみれば、様々なデートコースが検索に引っかかった。綺麗なイルミネーションがたくさん出てきた。


「もう誘ったつもりでいたからさ俺も調べてたんだけど、世莉ちゃんの写真いっぱい撮ってスマホの壁紙にしようかな」

「わ、イルミネーション絶対きれいだからいいと思う! 今はどんな写真だっけ?」


スマホを指でタップし、明るくなった画面を見せてくれる。


「これ」

「お、最近のデートのときだ」

「そうそう、この前放課後出かけたときの」

ショッピングモール内のカフェでパンケーキを食べている私の写真。



「わたしはね、これ」

「あ〜懐かしいね。夏祭り?」

夏祭りのときに撮った凌介くんの後ろ姿。浴衣姿の凌介くんは今よりも少し髪の毛が短くてさっぱりしてみえる。

冬にも関わらず季節感がないものだ。那乃のように頻繁に変えるほうではないけどこれはこれで問題かもしれない。クリスマスのときにきれいな写真がたくさん撮れるだろうからそのときにでも変えようと決めた。