「谷口と栗岡って付き合ってるんだろ?」
あまりにも急な話題の変化と質問に『何でですか?』と少し声を裏返す美利。
「お前らいつも一緒にいるだろ。だからてっきり付き合ってるもんだと思ってたけど、違うのか?」
「ちがいますよ、普通の友達ですよ」
右手でかぶりを振る美利に、
「なんだー、絶対そうだと思ってたのに面白くねぇな」
といって、カラカラと笑う。
「そういう先輩だって、付き合っている人はいるんスよね?」
我ながらチャレンジャーな質問をしたなと内心恐々としている美利。
「居るよ」
笑顔のまま智成は即答してくれた。